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F.X.ピヒラー (F.X.Pichler) 生産地:オーストリア ニーダエステライヒ ヴァッハウ オーバーロイベン 所有畑:約16ha
【ピヒラー家の本】
これには、フランツ・ピヒラー・シニア(*1906)の記録が細かく記されています。 ピヒラー・シニアは1928年に、グリューナー・フェルトリーナーの厳密セレクションに取り組みました。収穫量は少ないが、抽出される果汁は濃厚で、香りも凝縮された小さなブドウを選びました。 フランツ・ピヒラー・シニアそして37年以上におよぶ彼の仕事を称え、わが社のフェルトニーナーのセレクションの誕生話をするに当たって、シニアのオリジナル記録をレイアウトに使いました。 (上写真:ピヒラー家に代々伝わるノート) 現在5代目が経営に当たっている家族経営のワイナリーが所有するほぼ全ての区画畑では(マッスル)セレクションによる木が植えられています。この本は私どもワイナリーの、品質へのこだわり、ワイン造りに粘り強くそして情熱を持って取り組んでいる証です。
(写真:F.X.ピヒラーの門) 【ワイナリー】 画家のアルブレヒト・デューラーは「視覚は最も高貴な感覚であ 何かが始まるのを見ること、それにはいつもうっとりさせられます。私たちの場合、毎年、ブドウ畑で、収穫したブドウがセラーに運ばれた後、そして最初にワインを試飲するときに新しいことが始まります。 もちろん、人間とは目で見る生き物です。ただし、ワインに関して言えば、嗅覚と味覚は視覚よりも重要な感覚です。ワインを良き友のように、愛情と尊敬を持って接し、ワインもまた個性があり、そして個性が必要であることを知って扱う人は、目と鼻と口で同じことを感じます。ワインの性質上最も居心地のいいセラーで、樽に一緒に取り込んだ太陽のおかげでワインは熟していきます。世の喧騒から遠く離れた場所で。 【哲学】 フランスの詩人マダム・コレット*は「植物の世界では、土がどのような味がするかは、ワインによってしかわからない」と書いていますが、この言葉は自然、ワインそして感覚的な体験に対する私たちの考えを最も的確に表現しています。 自然が私たちに提供してくれる素晴らしいポテンシャルから最高のものを造る、というのが私たちの哲学です。それは、家族に対する責任であり、また、自然、歴史そしてワインに対する責任でもあります。私たちの財産はブドウ畑、ブドウの木、直感と世界に開かれていることと関連した伝統から得た知恵だからです。 *シドニー=ガブリエル・コレット、1873年1月28日、フランス、ブルゴーニュ地方サン=ソーヴル生まれ、 1954年8月3日にパリで死去
(写真:2009年に新しく造られたワイナリー内写真 タンクは上下にわけられており、畑毎、収穫毎に醸造される。)
【醸造】 私たちの信条は信頼性 私たちは、ヴィンテージ、土壌そしてヴァッハウの特徴的な局地的気候を忠実に反映しているワイン造りを目指しています。それぞれの銘醸畑が持つ複雑で個性的、繊細なニュアンスがワインで感じられ、味わえるようでなければなりません。 このための前提となるのが、何回にも渡り最も質の高い、自然に熟したブドウだけを手摘みすること、丁寧に醸造し、30−40年間使用のオーク材大樽という従来の方法で熟成させることです。 いかなる補糖、清澄、あるいは濃縮もおこなわないことで、自然で私たちのワイナリーの品質を実感することができます。 私たちにとって、ワインのヴィンテージ年のサイクルと醸造は、人の誕生に似ています。ワインが造られるプロセスでは、ワインに愛情を注ぎ、手をかけそして高い完成度が達成されるまでには導いていかなければなりません。 (写真:ピヒラーファミリー) 【造り手】 F.X.ピヒラー(フランツ・クサファー・ピヒラー) 「私はブドウ畑での仕事を愛しています。春、ワイン造りのクリエイティブな行為はまずブドウ畑から始まります。いいワインを造るためには、最高のブドウ畑が必要です。ただし、それ以上に必要なのは、強い意志そしてブドウに対する繊細な感性。これは習得できるものではありません。直感です。 F.X.ピヒラー ルーカス・ピヒラー 渾然一体となったところからワインが造られます。それが私たちのやりかた。私たちはワインを尊重し、ゆっくりと熟成させます。 ルーカス・ピヒラー 【ヴァッハウ】 ヴァッハウは文化的そして人工的な景観が続きます。正式にメルクとクレムズの間、川に沿った全長36kmの渓谷であり、ユネスコの「世界文化遺産」として登録されています。優雅に蛇行するドナウ川、川辺の森、切り立った岩そしてなだらかなあるいは極端に険しい傾斜地などの自然の要素が絶妙なハーモニーで補足しあっています。 そして人間は斜面に段々のブドウ畑と、宿屋や民家、教会が並ぶ建築的にも魅力ある村落を造りました。ゲットワイク修道院、デュルンシュタインそしてメルクには文化歴史的にも素晴らしい建築的モニュメントが建っています。 【気候】 東の暖かいパノニア気候であり、乾燥した風がヴァッハウ渓谷に流れ込み、ここで西の大陸性気候とぶつかります。更に、北の丘陵地、ヴァルトフィアテルから冷風が、谷に沿ってドナウ川に流れ込みます。このため、昼夜の温度差が大きくなります。更に、局地気候の力も相まって、これが、少なくとも2000年間、ヴァッハウ産ワインの特徴である凝縮した上品な香りを生み出しています。
【土壌】 風化してやせた原生岩、鉄分を含むことが多く、片麻岩、花崗岩、雲母片岩が織り交ぜられた土壌は、果実の凝縮感、深いアロマ、ミネラル感とエレガントなストラクチャーをワインが持つための自然のポテンシャルです。 国際的に「テロワール」という言葉は市民権を得ています。フランス語で、本来は「土の味」と訳されます。今日、テロワールの定義はより複雑になっています。このため意味もちぐはぐになっています。テロワールは地理学上、地質学上、植物および気候の見解などの自然および文化的パラメーター、更に人による栽培および手入れにまで解釈されるようになりました。自然と文化がワインの個性に影響をおよぼします。
(写真:ドナウ河対岸から見たクロスターサッツ、ケラーベルク、ロイベンベルク) 【ラーゲ(区画畑)】 私たちは所有する区画畑(銘醸畑)に誇りを持っています。銘醸畑は私たちのワインの信頼性のベースとなっているからです。銘醸畑のワインはワインへの告白であると同時に挑戦そして理想です。区画畑のほとんどは12・3世紀に開墾された急斜面の段々畑であり、その畑を私たちは、私たちの特別な文化財産として、大いに敬意を表しながら、手入れし、維持しています。 面積がおよそ16ヘクタールあるブドウ畑では、ブドウの品種の50%がグリューナー・フェルトリーナー、48%がリースリングそして2%がソヴィニオン・ブランです。ブドウ畑のおよそ40%は急な段々畑であり、このため手で作業しなければなりません。60%は山の麓とヴァッハウの東の端、デュルシュタインとローテンホーフの間のロイブナー盆地の平地にあります。 M 「M」は「モニュメンタル」の頭文字からとっていますが、きわめて複雑で味覚的に大柄な特別なグリューナー・フェルトリーナーにしか付けられません。グリューナー・フェルトリーナーを初めてリザーブ「M」に選んだのは1991年のことでした。このワインは、私たちにとってフェルトリーナーの「金字塔」‐「モニュメント」のような存在です。 通常、「M」用のブドウは他のラーゲンワインよりも2週間から3週間遅く摘まれます。「M」は、収穫される年およびブドウの成長ぶりによって、ほとんどの場合、70%は銘醸畑ロイブナーベルクのブドウ、残りは他の優れた銘醸畑のセレクションから造られます。「M」とは、常に繊細で、跳ねるような豊かさを持ったリッチなワインです。 ケラーベルク デュルシュタイナー・ケラーベルク‐急な斜面で、やせた純粋な原生岩のテラス状畑、南東斜面、少し奥まった谷の出口部分にあり、非常に特殊な局地気候となっています。ケラーベルクには早朝から日があたります。夜には森から流れ込む冷風によって、ブドウは複雑なテクスチャーと繊細なニュアンスを持ち、ほとんどの場合、エキゾチックな香りのワインです。秋には、昼と夜の温度差が激しくなり、それがブドウの特徴に反映されます。ハニーメロン、マンゴ、パッションフルーツ、バナナあるいは完熟モモのニュアンス、トーンがはっきりしているミネラル感。やせた風化土壌と非常に深いところまで根をはっている古木によって、この銘醸畑のワインは比類のない独特の持ち味があります。ケラーベルクのワインは言葉では表現できない繊細なエレガンスによって私たちを魅了します。我ワイナリーでも一番上品な、貴族のワインです。 ロイブナーベルク ロイブナーベルク‐ロイベンの中でも一番急傾斜でやせた原生岩の銘醸畑です。ヴァッハウで一番大きな連なりであり、真南に向いているために、暖かい畑です。非常に特殊な成分から成る土壌によって、とても長熟のワインが造られます。ここで採れたブドウは豊かで凝縮感があり、同時に繊細なワインとなります。リースリングの場合にはフルーティなテクスチャー(モモ、アンズ)、フェルトリーナーはフルボディ、ミネラル感があり、軽くスモーキーでタバコの香味。 原生岩‐テラス状の畑 原生岩‐テラス状の畑‐Nomen est omen、とは、テラス状の畑から採れるワインに付けられている名称です。ケラーベルク、ロイブナーベルク、シュタイナータールで採れたブドウの一部を使ってこのキュベが造られます。グリューナー・フェルトリーナー・スマラクトとリースリング・フェーダーシュピールも同様です。 クロースターサッツ ロイブナー・クロースターサッツ‐ヴァッハウの中でも最も古い畑の一つで、ザルツブルクおよびバイエルンの修道院の僧侶たちが開墾した畑であり、畑の名前もそこから由来しています。ロイブナー盆地にあり、テラス状の畑から流れてきた原生岩と褐色土とドナウ川の砂が混ざり合っています。この畑のワインの特徴は深い、スパイシーなフルーティさとわずかなミネラル感です。 ウンエントリッヒ 私にはビジョンがあった F.X.ピヒラー 「自然の遊びの種類は無限です。しかし、それぞれのブドウ畑は、人生と歴史‐私たちの家族のも含めて‐を映す一つの小宇宙のようなものです」 テロワールとブドウの品種の個性を最大に引き出すという構想は、最初の「ウンエントリッヒ」を造る以前から持っていました。1998年にこのビジョンを初めて実現させました。私たちの情熱は、五感で感じる総合芸術を造ることに注がれています。 カール・フリードリッヒ・シンケルによるモーツァルトのオペラ「魔笛」の舞台デザインでは、無限の宇宙を象徴して青地に星空が描かれていますが、これは、私たちの最高のワイン、ウンエントリッヒの手本でした。「果てることのない」余韻を持ったワイン‐舞台の絵はこれを象徴しています。 |
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F.X.PICHLER
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